2005年6月定例県議会


赤坂てる子県議の一般質問と答弁(要旨)
武田英夫県議の討論
議案に対する各党(会派)の態度  

請願・陳情に対する各党(会派)の態度
議会報告



赤坂てる子県議の一般質問と答弁(要旨)



1.子どもを守る

 1.子どもの命と健康を守る−乳幼児医療費について  

いま、若い親たちは、子どもの笑顔に励まされながら、仕事と子育てを両腕に抱えて懸命に家庭をはぐくんでいます。子育ての大きな不安のひとつに、子どもの病気があります。病気の早期発見、早期治療を支えるために医療費の心配を無くすことは、子育てに対する大きな経済的・心理的支援となります。  わが国の児童の医療費自己負担は、他の先進諸国に比べれば非常に重いのが実情です。ドイツ・イタリア・カナダ・スウェーデンでは無料としています。厚生労働省の試算では、6歳未満の子どもの医療費の自己負担額は約2200億円(2002年度予算ベース)であり、これを国と地方が1/2ずつ負担すれば、国の費用は1000億円程度で無料化が実現できます。児童に対する医療費負担軽減措置を地方自治体任せにせず、政府の少子化対策の柱に乳幼児医療費無料制度の創設をすえるべきと考えます。再度、国に対して小学校就学前の子どもを対象とした医療費無料制度を来年度より創設することを国に要望してはいかがでしょうか、知事にお伺いします。

ところで、国は現物給付方式,つまり窓口無料をとる自治体に対し,国保国庫負担金を減額するペナルティーを課しており,財政運営の支障となっています。一昨年、政府は「少子化社会対策基本法」「次世代育成支援対策推進法」をきめ、新たな子育て支援の実施を自治体に求めていますが、減額調整ペナルティーを続けることは、国の少子化対策推進の流れに逆行します。県内の市町村国保への影響額はいくらか。保健福祉部長にお伺いします。

また国保国庫負担の減額調整ペナルティーを早期に廃止するよう国に求めてはいかがか、知事にお伺いします。

さて、岡山県の制度を県民の要求から見てどうか,全国の到達から見てどうか,この角度から見ることが大事です。以下,知事にお伺いします。  

県は、昨年10月から入院についてのみ、小学校入学前まで無料に拡充されました。しかし、昨年度は、5県で、外来・入院ともで就学前まで対象年齢が拡大し、今年度は、4県が外来・入院とも就学前までの年齢拡大を予定しています。また、県内の市町村でも、4月1日現在、34市町村中、小学校就学前までの子どもの医療費の自己負担を外来で25市町村、入院で30市町村が無料としており、うち5市町村では入院・外来とも中学卒業まで無料としています。そこで知事にお伺いします。今やるべきことは、市町村の努力にこたえて、通院も小学校入学前まで無料化をすることではないでしょうか。

この項最後に、昨年度、岡山市議会・倉敷市議会全会一致の意見書が県に届けられました。中核市だというだけで、補助率の引き下げが行われていることは不当である。是正を求めるという厳しいご意見です。実際、全国で、政令市では一部ありますが、中核市で補助率を下げている県はありません。知事は「補助率も含めた制度全体のあり方につきましては,これは検討課題である」と答弁していますが、岡山市・倉敷市への補助率を引き下げるのではなく、本来の1/2に戻すことを求めます。知事の見解を求めます。

2.消費者教育について  

県の消費生活センターに寄せられた昨年度の消費生活相談は、2年前の約2.3倍にもなり、中でもここ数年若者の被害が急増しています。15年度で29歳までの若者の相談件数が32%を超え、20歳未満も1000件を超えており、学校・社会を通じた消費者教育が不可欠です。中でも学校教育の中での消費者教育は一層重要性を増しています。国は、今年4月、平成17年度から5カ年間の具体的取り組みを定めた「消費者基本計画」が策定されました。岡山県においても「消費生活条例」が改正され、(17年4月1日より施行)「基本計画」の策定が予定されています。国の「基本計画」には、「消費者教育の推進体制を強化する必要がある」として、内閣府と文部科学省の更なる緊密な連携が必要であるとしています。そのため平成17年度中に都道府県に対しても、「消費生活センターと教育委員会の連絡協議会の設置を要請する」としています。県でも連絡協議会設置を検討すべきと考えますが、教育長のご見解をお伺いします。

また、消費者教育の実施状況と、そのうち学校への講師派遣の実施状況について、生活環境部長にお伺いします。

さらに、学校教育の中で、消費生活相談員をはじめ外部の専門家を活用したカリュキュラム等を設けることや、教員研修に消費者教育を位置づける必要があると考えますが、教育長にお伺いします。



2.災害対策について 

 今年も梅雨・台風シーズンシーズンが近づきました。昨年は台風災害が相次ぎました。県内で、8人の方が亡くなり、67人が重軽傷を負われ、22,272軒が住宅被害を受けました。未だに生活が再建できていない被災者も数多くおられます。わが党は6月11日、倉敷市児島で被災者支援のあり方を問う討論集会を開きました。また、県内各地の被災地をお尋ねし、住民懇談会を開いて意見をお聞きしてきました。その中からたくさんのご意見やご要望が寄せられています。そうした、住民の皆さんの声をお伝えして質問いたします。

 1.住家の災害被害認定ついて  

被害認定は「災害時の被害状況報告のための調査の基準として、また、市町村が罹災証明を発行するための被害調査の基準として、義援金の支給や生活再建支援法の適用や支援金の支給の判断基準としているなど、各種支援と密接に関連するようになってきた。」とあるように被害判定は、どんな自然災害でも被災者支援の基本的な問題です。これについて内閣府は、4年前に、災害によって床上浸水した住家の全てについて、二次判定を行うべきであると指針を示しました。建築の専門家を含む複数の職員による調査をすることを基準として示しています。さらに昨年10月28日に住家の被害認定を弾力化することを地方自治体に通知しました。わが党は、12月議会の一般質問で、岡山県の場合このことが市町村に不徹底ではないかと指摘し、改善を求めましたが、県は質問の二日後の12月16日に、市町村宛の二つの通知を出して徹底を図られました。しかし、二次判定に関しては、二次判定を台風16号に限っていると考えている自治体、23号で大きな被害があっても調査をしていない町村、生活再建支援法の所得制限の対象世帯のみに限って知らせ申請した世帯だけ調査する、など、本来実施しなければならない住家であっても調査が行われていない実態があります。住民に対する広報も不十分です。この原因は、県の当初の認識不足と、市町村への徹底不足にあると思いますが、どうでしょうか。知事にお伺いします。

被害認定の弾力化については、県は「市町村が個々の被害状況を勘案して」独自に「弾力化することも可能」という旨の通知をされたわけですが、被災された市町村においてこれがどのように具体化されているか知事はご存知でしょうか、具体的にお答え下さい。

今年は、知事と執行部が国の指針にたって、それを現場と市町村に徹底し、万全の体制で被災者支援に当たられるよう、改めて求めたいと思うものですが、知事のご所見をお伺いします。

 2.災害問題の第二は、県の被災者支援の姿勢と施策についてです。  

@災害救助法の活用について  
まず、災害救助法についてです。昨年の台風第16号は「災害救助法」が適用されました。私は、法適用となった県内9市町で実際に活用された災害救助費はどうか調査しましたが、合計345万円余です。あまりの少なさに一桁二桁違うのではと耳を疑いました。香川県にお聞きすると第16号で約8000万円です。こうした、市町村において国の制度を十分活用できていない現状があります。国の被災者支援は限られた不十分なものですが、国の制度をよく研究し、最大限活用し、被災者の応急救助にあたることが必要ではないでしょうか、知事にお伺いします。

A住家被害に対する県独自の支援策について  
災害発生後、被災者の住まいと生活を一刻も早く再建することは、地域経済の再建や地域の復興自体をいち早く可能にする道です。各地で被災者の方たちと懇談会を開いてきましたが、高潮被害をうけた40代のある女性からこんなお話がありました。鳥取県にお母さんがおられるそうですが。23号台風で裏山の木が倒れ屋根が壊れたと聞いて、心配して電話をしたら、「県や町が修繕してくれたから心配ない」と言われたそうです。お母さんは「岡山は違うのか」と不思議そうに言われたというのです。岡山県の場合、第16号台風のみに限り、床上浸水被災者に10万円の支援が行われました。被災者は歯を食いしばっての自力再生に任されているのが岡山県の現状ではないでしょうか。私は、京都 兵庫を視察し、阪神大震災から10年、神戸で開かれた自然災害にどう備えるかの全国フォーラムにいき、全国の状況を調査ました。被災者支援は自治体の姿勢によって天地の差となっていることに、改めて驚きました。京都府では、住宅の建て替え・購入・補修に全壊300万円、大規模半壊200万円、半壊150万円、一部損壊・床上浸水に50万円を、所得制限なしに補助する制度を創設し、国の被災者生活再建支援法の支援とあわせれば、全壊で最高600万円まで支援が受けられます。そのほか、福井・兵庫・徳島、新潟などが県独自の被災者支援制度を作っています。他県のように、住家の被害に対して国の制度に加えて、@住宅本体に補助をすること、A所得制限を緩和すること、B災害救助法の適用にならない小規模災害を対象とするなどの被災者支援制度を創設することを検討してはどうか。また、住家に対する見舞金についても拡充すべきです。知事にお伺いします。

 3.被災者支援マニュアルと体制整備について  

また、こういうことをしようとすれば、市町村等が被災者支援に迅速、的確に当たれるよう県として被災者支援のマニュアルと体制整備をすべきと考えますが、いかがでしょうか。知事にお伺いします。

 4.国の被災者生活再建支援法の改正について  

さて、こうした事態が起きる根本には、国の施策が不十分であることです。昨年改正された被災者生活再建支援法は、損壊住宅の撤去費用の一定部分を支援するなど個人補償に一歩踏み込んだものですが、支給の条件が厳しく、そもそも実態にそぐわないなどの問題があり、見直しが必要です。肝心の住宅本体の改修・建築費用は対象外です。政府は「私有財産(個人の住宅)に支援できない」と言いますが法的に禁止の根拠はありません。実際、多くの自治体が被災した住宅再建への個人補償を行っており、政府がやる気になればすぐに実現できます。国の生活再建支援法について住宅本体を支援対象とするなど抜本的改善を、再度要望してはどうか。知事にお伺いします。

 5.災害対策の最後は、災害復旧についてです。  

この項最後に、いよいよ、梅雨と台風シーズンとなりました。もう一度、災害を防ぐために細心の注意を払い点検を行い、抜本的対策を求めます。県は「岡山沿岸高潮対策検討委員会」の審議結果を踏まえ、今後の施設整備の基準となる潮位を台風第16号の際に記録された潮位とすることを決められました。また、「岡山県沿岸高潮災害等調査」にあたり、被災住民の声を聞くことに努力されましたことは、画期的だと思います。この調査を生かして災害防止にあたり、住民の不安を解消することが求められます。倉敷市の災害復旧について気になることを何点か、土木部長にお伺いします。

@高梁川で高潮被害について国は護岸の復旧をする計画ですが、高潮対策は不十分です。平成元年3月に当時の建設省河川局が作成した「高梁川水系工事実施基本計画」をみると、高潮対策について「河口部においては、高潮による災害の防除を図るため高潮対策事業を実施する」とあります。高梁川の河口部の高潮対策を国に要望することを求めますがいかがでしょうか。 
A倉敷市玉島地区の沿岸域では、昨年連続して高潮被害を受けました。被害が頻発している要因のひとつが、玉島人工島など海岸線の変更です。柏島地区の抜本的な高潮対策としテトラポットや、離岸堤防を設置すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
B台風第16号・台風第23号と連続して住民に被害を受けました、県管理の倉敷市児島の小田川・下村川周辺住民の要望する、小田川・下村川の本格改修を計画すべきと考えますが、いかがでしょうか。

3.環境対策  

1. 残土処分規制条例について  

県内で建設残土と称して産業廃棄物を混入し、投棄されるという深刻な事態がおこっています。さらに昨年の台風や豪雨では、残土捨て場が災害の原因のひとつとなっています。わが党は、住民の方たちと規制の強化を求め、政府交渉も行ってきましたが、現行法では、産廃であることが判明すれば。規制の対象になるものの、悪徳業者は開き直り、よほどの被害がおきない限り、業者のやりたい放題、行政が動いたときには手遅れで、産廃交じりの土が、うず高く積まれる事態となります。全国の都道府県の残土規制を調査しましたが、兵庫・広島・愛媛・徳島などで残土規制を制定しています。千葉県を視察しましたが、「土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」を策定し、発生元事業者と運搬業者に「土砂等管理台帳」の作成を義務付け、埋立業者にどこで発生した残土か「発生元証明書」、「安全基準」に適合しているかの検査証明書を義務付け、継続的に環境調査や定期検査を義務付けています。また土地所有者の責任を求めるなど実効性の高い条例をつくり、効果を上げています。  

@県として、建設残土に限定せず土壌汚染の原因となる物質などが混入されている恐れのある土砂の一定規模以上の埋立、盛り土、たい積等に対しての規制のための条例制定をおこなうことを求めますが、知事の所見を伺います。  
Aまた、新たに、監視体制を作るなどの環境対策を求めますが、いかがでしょうか。生活環境部長にお伺いします。

 2.コンビナートなどの水質汚濁問題について  

昨年末、千葉県にあるJFE東日本製鉄所において、工場排水の汚染状態及び汚濁負荷量の測定結果記録についてシアン化合物などが排水基準を超えていたにもかかわらず、10年以上もデーターを改ざんし虚偽報告を行っていたこと、またスラグ堆積場の排水対策が不適切であったため高アルカリ水が排出されていたため、千葉地検などが水質汚濁防止法違反の疑いで捜査を続けています。こうした事態を受けて去る2月4日、環境大臣は「必要があれば(水質汚濁防止)」法実施のあり方も検討したい」と会見で述べ「水質汚濁防止の徹底について」を全国の都道府県知事と水質汚濁防止法政令市長に通達しました。さらに3月18日には、特定事業場への監視指導、スラグ堆積場浸水対策などを通知しました。それによれば、環境省の指示文書により特定事業場に対し、法22条の規定による報告徴収および立ち入り検査を適切に行い、特定事業場における排水の監視について、指導を行うことを求めています。県はこの通達に基づいて、とういう対応をされたのか、知事にお伺いします。

4.チボリ問題について  

チボリが開園して8年になります。レジャーランドに税金投入の是非が問われてきましたが、公金支出の差し止めを求める裁判で5月24日、岡山地裁は、原告の訴えを棄却し判決を行いました。しかし、判決内容をみると  

1:財政上の余裕が乏しいなかでの支出  

2:大型レジャーランド、アミューズメント系レジャー施設の色彩が強く、チボリジャパン(株)は営利企業の性格を有する  

3:地方公共団体または住民の利益に対する効用度が高いといえない。  

4:採算上の問題から公益的性格が揺らいでいる。というもので、このように住民の主張を概ね認めているものです。  

岡山県は、全国1の借金県という財政危機の中、開園以来累積総額194億5千万円に上る巨額の税金を投入してきました。しかし入園者・消費単価の激減は止まらず、11月には倉敷市民無料化、2月から3月にワンコイン、無料送迎バスの運行などありとあらゆる利用促進を図ってきました。入場者数は昨年並みをやっと確保したものの、今年度になっても減少しているのが実態です。消費単価も前年比300円も減少し、3100円に(グラフ)落ち込んだ。これは、高谷社長の示したチボリ再生計画による消費単価3600円をも500円も下回るもので、累積赤字は約80億円近くに上ります。裁判所の指摘からみても、税金投入を見直すべき時ではないでしょうか。知事にお伺いします。

Aチボリへの融資について  

ここで、県からの支援の一つである融資について事実確認をしたいと思います。チボリへは県・倉敷市による巨額の融資が続けられてきました。倉敷市議会の総務委員会に、県議会には報告されないチボリの財務情況を示す資料が提出されてきていることが明らかになりました。四半期ごとの「残高試算表」と資金繰り状況を示す「資金繰表」です。これを見ますと、チボリジャパン社は、平成14年6月期から、16年12月つまり昨年末の間、四半期ごとに46億から83億円の有価証券を保有しています。たとえば15年12月末75億円の有価証券を保有していましたが、3月31日期末にはゼロとなっています。この年のチボリ社の年間受け取り利息は、平成15年度で7700万円に上ります。つまり、県と倉敷市の融資が 短期有価証券の運用に使われ、チボリ社が運用益を得ているのではないかと考えざるを得ないが、事実でしょうか。知事にお伺いします。



答弁  

医療費無料制度の国への要望についてであるが、本県では、乳幼児の早期受療と育児に要する経費負担の軽減を図るため、極めて厳しい財政状況にある中で、昨年10月から、負担の大きい入院診療の補助対象年齢を義務教育就学前まで拡大したところである。国に対しては、地方自治体が単独で行っている乳幼児医療費公費負担制度を国の制度として創設するよう従前から要望しているところであり、今後も引き続き要望してまいりたい。  

市町村国保への影響額についてであるが、平成15年度は、約1億1000万円となっている。  

国保国庫負担の減額調整についてであるが、「市町村が患者の一部負担金の減免を現物給付で行っている場合には、一般的に医療費の増大が見られることから、国庫負担の調整措置は、市町村間の公平の観点から必要である」とされており、やむを得ないと考えている。  

通院の小学校入学前までの無料化についてであるが、昨年10月には、経済的負担はもとより精神的、身体的負担も大きい入院診療について、補助対象年齢を義務教育就学前までに拡大しており、県の極めて厳しい財政状況を勘案すると、現時点で直ちに御要望に応えることは厳しい状況にあるので御理解賜りたい。  

岡山市・倉敷市の補助率についてであるが、市町村との役割分担の観点から財政力の強い市について補助率を見直すべきとの行財政改革懇談会の答申を受け、岡山市、倉敷市の補助率を6分の1としたが、乳幼児医療費については、特別な経過措置として補助率を5分の1にしているところである。岡山市・倉敷市の補助率を2分の1にとの御提案であるが、単県医療費公費負担制度全体のあり方については、今年度の検討課題としているので、御理解賜りたい。  

まず、連絡協議会の設置についてであるが、現在、国において、消費者基本計画に基づき、その具体化に向けた協議が行われていると聞いており、国からの要請を踏まえて、関係部局と設置について協議をしていきたい。  

消費者教育の実施状況等についてであるが、平成16年度に消費生活センターが実施した講座の回数は120回で、対象者は一般県民、高齢者、新入社員など約1万2千人となっている。このうち高等学校等からの要請で、消費生活センターの職員や消費生活相談員を講師として派遣したものは8回で、その対象者は約1.500人となっている。今後とも学校からの御要望に積極的に対応してまいりたい。  

次に、学校での消費者教育についてであるが、若者がクレジットカードや携帯電話にかかわる被害に遭う事例が増加していることから、学校でも、社会科や家庭科等に位置付けて取り組んでいるが、指導の成果を上げるためには、家庭との連携とともに、外部の専門家の活用を一層促進することが効果的であると考えている。これまでも、消費生活センターの職員の他に、高等学校では、社会人講師として、弁護士や金融機関の方々の協力も得てきた。現在、弁護士会と連携して、教員対象の研修会を開催できるよう、協議しているところである。今後とも、外部の専門家の活用を含め、時代に合った消費者教育の一層の充実に取り組んでまいりたい。  



市町村の調査等についてであるが、昨年の台風16号等による災害の被災者支援のため、県では、制度運用に関する国からの通知を受けて、11月上旬に二度にわたり、被災者生活再建支援法の弾力的運用に関するガイドラインの適切な運用について市町村へ通知し徹底を図ったほか、制度全般について、広く県民の理解を深めるため、ホームページにより情報提供したところである。また、11月下旬には、(財)都道府県会館被災者生活再建支援基金部の担当者を講師に実務研修会を開催し、調査に当たる市町村の担当職員のスキルアップを図ったところであり、12月16日にも被害認定を適切に行うよう市町村に対し通知を行ったところである。このように、県としては、被災者の支援を迅速かつ適切に実施するため、万全を期してきたところである。  

被害認定の弾力化についてであるが、被災家屋の多かった倉敷市においては、例えば、床については、畳が吸水・膨張していれば50%の損傷、畳と座板を取り替えた場合は100%の損傷としたり、また、建具については、ドア等が損傷し、調整により再使用ができる場合は50%の損傷、取り替えた場合は100%の損傷として算定するなど、被害認定を迅速に行うために、国の弾力的運用指針をもとに独自の統一基準を設けて被害認定を行ったと聞いている。  

被災者支援体制についてであるが、昨年のたび重なる台風における経験を今後の被災者支援に生かすため、県や市町村等で構成する県・市町村防災対策研究協議会の場などを活用し、制度の運用について実務者レベルでの具体的な研究に取り組むなど、被災者の支援体制の充実に努めてまいりたい。  

災害救助法の活用についてであるが、法が適用された市町村が応急的な救助に支出した費用については、法に定める基準により、国、県でその費用を負担するものである。県では、毎年、市町村の防災担当者に対し、災害救助法の周知を図っており、台風16号についても、国の定める基準に基づき必要な経費について適切に対応したものである。今後とも、市町村に制度の周知を図るとともに有効な活用に努めてまいりたい。  

住家被害に対する県独自の支援策についてであるが、住宅本体への補助や所得制限の緩和、小規模災害を対象とした被災者支援などの独自制度の創設については、本県のおかれている厳しい財政状況から、現時点においては、なお慎重な検討が必要と考えている。また、見舞金については、従来から自然災害により住家が全壊した場合に給付してきたところであり、引き続きこの制度を継続し、適切に対応してまいりたい。  

被災者支援マニュアルと体制整備についてであるが、昨年の台風第16号による災害に際しては、被災者等に対して、融資制度や県税の特例措置等、支援制度の概要や手続等をわかりやすく解説したパンフレットを作成・配布したほか、ホームページで情報提供するなど周知徹底に努めるとともに、関係の市や町と連携し、相談窓口等を直ちに設置するなど、体制を整備し対応してきたところである。県としては、引き続き、制度全般についてホームページで情報提供を行うとともに、昨年の取組等を参考に、被災者支援制度等を網羅的に紹介するマニュアルの作成や体制の整備について、市町村と協議しながら検討をしてまいりたい。  

被災者生活再建支援法についてであるが、これまでも県独自あるいは中国知事会や全国知事会を通じて制度の適用範囲の拡充について提案をしてきたところであり、今後とも、支給限度額の引き上げや住宅本体の建築費・補修費の支給など、制度の拡充について、他県とも連携しながら国に対し積極的に働きかけてまいりたい。  

高梁川河口部の高潮対策についてであるが、倉敷市玉島乙島地区など7箇所の被災箇所については、年度内に復旧工事が完了する予定と聞いている。また、高潮対策については、昨年の高潮被害を踏まえ、早期に事業着手されるよう引き続き国に対し強く要望してまいりたい。  

倉敷市玉島柏島地区の高潮対策についてであるが、昨年の高潮被害は、この地区の地形が南側に開いているという要因に加え、台風が大潮の満潮と重なって異常潮位になったと考えている。現在、玉島柏島地区の高潮対策として、護岸の嵩上げや切り欠き部の締め切り工事を実施しているところである。また、この地区から玉島勇崎地区の一帯の海岸線について、消波ブロックや離岸堤の設置を検討しているところである。  

倉敷市児島の小田川・下村川の改修についてであるが、昨年、台風や高潮により浸水被害を受けたため、浸水原因の調査を行うとともに、高潮対策と洪水対策の両面から、現在、抜本的な河川改修計画の検討を進めているところである。なお、当面の対策として、被災した護岸の応急復旧や堆積土砂の撤去を実施するとともに、特に緊急を要する箇所の護岸の嵩上げについても台風シーズンまでに完成させる予定である。  



条例制定についてであるが、県では、一定規模以上の埋立等の開発行為に対しては、県土保全条例等の開発関係法令を中心に、土壌汚染対策法、環境負荷低減条例、廃棄物処理法等と調整を図りながら、環境保全にも配慮した適正な開発が行われるよう努めてきたところである。現時点では新たな条例の制定までは考えていないが、埋立等に対する環境保全面での対応については、更に実効あるものとなるよう検討してまいりたい。  

監視の強化についてであるが、県では、本年度までに全ての県民局及び支局に産業廃棄物監視指導員を配置するなど、産業廃棄物の監視体制を強化してきたところである。土砂等の埋立等についても、これら現行の廃棄物不法投棄監視体制を有効に活用するとともに、開発関係法令に基づく立入検査の実施等により、違法行為の未然防止に努めてまいりたい。  

コンビナート等の水質汚濁問題についてであるが、県では、国の通知を受け、規制の対象となる事業場に対し文書等により指導するとともに、現在までに、県下の主要な41事業場に立入検査を実施し、測定記録や汚水の排出状況等を確認している。現時点では、今回問題となったような事案はなかったが、今後とも、計画的に立入検査を行い、法の遵守状況を確認してまいりたい。  



税金投入の見直しについてであるが、先日の判決においても、倉敷チボ公園の公益性は認められているところである。県民の憩いの場、観光拠点として、本県の貴重な財産となっている倉敷チボリ公園が安定的に発展できるよう、県として、現在の経営改善計画等に沿って、引き続き支援を行ってまいりたいと考えている。  

融資についてであるが、資金の有効活用を図るため、チボリ・ジャパン社が有価証券を保有し、その資金の一部に県及び倉敷市からの融資も使われていたことがあったと聞いている。

赤坂県議の再質問
 

知事の答弁の中に、県や倉敷市の融資の一部が使われたと、有価証券の保有に使われたという答弁だったが、これがチ社が持っている有価証券の推移と県からの借入金の推移とを重ねたグラフです。一部なのかどうなのかということが、これではっきりするのではないかと思います。もう少し県民にはっきりとこうした中身について示すべきではないか、そのように思うが、知事、一部といういうことでいいのでしょうか。これはひとつ再質問です。  

倉敷市ですけど、倉敷市の乳幼児医療費の問題。先ほど乳幼児医療費のことで質問したが、負担割合のことで、これをグラフにしてみた。倉敷市が負担しているのはこれだけ、これを見ますと、外来3歳未満、入院就学前で児童手当制度の基準以下については、自己負担分の2割は倉敷市が負担している。それから5分の4倉敷市、県は5の1負担されている。これ、5の1いうのはこういう意味なんです。それで、このほか所得基準を超えた分については全部倉敷市、年齢拡大についても倉敷市。これが岡山市と倉敷市に対する乳幼児医療費の負担率の問題。だからこそ問題にしているということを知事はご確認いただきたいと思います。こちらは市町村だが、市町村もそんなに県がたくさん負担しているわけではない。グラフにしてみればよく分かるのではないでしょうか。  

さて、災害の問題だが、確かに県としてはいろいろと市町村に対して、被災者支援、あの、被災者の認定、災害住居の認定についてはいろいろと通達を出されたり努力されてきたことは分かるわけです。しかし、それが徹底されていない。現場に行くとどういう状況になっているかということをご理解いただきたい。例えばですね、二次判定、いわゆる二次判定、どういうことかというと、床上浸水になったところについては再び調査をする、立入調査をするということが国の通達で出されているわけですけれども、これが徹底されていないということです。例えばですね、16号について倉敷市と玉野市は5月になってやっと二次判定を終えたところですよね。岡山市においては今現在、二次判定の調査中。生活再建支援法というのは13カ月が期限ですから、もう期限ぎりぎりになってようやく認定が終わる。こうした地元で、市町村での混乱があるということです。そのことを私たちは問題にしているということです。その点について知事のご見解をもう一度おたずねします。  

それともう一点はですね、先ほど言いました国の運用指針による二次判定をきちっとやると。所得制限をつけたり、それから申請したところだけとかというのではなく、ちゃんとやるということが大事ではないか。私、広島県に聞いたが、それは市町村がやらんといけんことですと。生活再建支援法というのは申請するが、被害認定というのは市町村との役割ですというふうな話を聞いたが、実はそれについてぜひ二次判定について、もう一度必要性について知事の答弁をお願いしたい。  

それと、災害救助法だが、実は災害救助法の実務のこういう本があるが、「災害救助法の実務16年度版」のところだが、これについて、この第一にあるのは被害認定、被害認定が第一にあるわけです。これほど大事だということです。この点についてもう一度知事のご答弁をお願いいたします。

それと、救助法の支援金の問題だが、ほんとうにあまりにも少ないのではないかと。ちゃんとやってきたという答弁だったが、なぜんこんなに活用できなかったのかということを改めてもう一度確認する必要があるのではないかということで私は質問した。その点について、知事の答弁をお願いします。災害救助法の、災害救助の支援金、救助費の支給について、なぜこんなに少なかったのか、この点について改めて知事のご見解を求めます。



答弁・石井知事  

チ社が有価証券を保有し、その資金の一部に県および倉敷市からの融資も使われていたと答弁した。貸付金、つまり県と倉敷市、これは倉敷市の方の貸付金の方が非常に多い割合を占めているが、この両方を貸した貸付金と有価証券の状況、保有状況、これを推移を見ると、その金額が貸付金より保有している金額が多いときもあれば少ないときもある。すなわち、チ社は自己資金も相当保有しているので、その内容について、どれをどのように使ったのかということは詳細把握していないが、いずれにしても一部は使われておったということは少なくとも言えると思い、先ほどそのように答弁した。  

それから先ほどパネルを使って乳幼児の倉敷市の負担分、ご紹介いただいたが、これは数字的にそのようなことになるということは私も承知している。  

災害対策について二次判定を行っている市町村、行っていないところがまだまだあるのではないかと。岡山市は調査中であるというご指摘も一部ございました。ご指摘をいただいたが、県としては関係の市町に対して、この通知を受け、そのたびに文書等によって周知徹底を図ってきたところだ。そして、関係の市や町に対して被害判定について適切なる実施を強く指導してきたところだ。それを受けて、それぞれ市町村が判断されて現在に至っていると、このように承知している。それから、県がもっともっと指導を徹底すべきではないかとの再度のおたずねだが、被害認定はもともと市町村の事務とされており、それぞれ被害が発生した市や町において、それぞれの被災状況等、これに応じて判断され、実施されてているものと、このように承知している。  

災害救助法についてのおたずねだが、岡山県と香川県との比較をされながらの質問だが、災害救助法の周知については毎年、市町村の防災担当者会議等で説明を行うなど周知を図ってきているところで、昨年も台風16号の到来の前に市町村の担当者に対して災害救助法の説明を行うなど周知を図ってきているところだ。今後とも市町村への説明、あるいは県のホームページへの搭載など周知に努めてまいりたい。私どもはしっかりと市町村に通知し、指導してきたわけで、それを踏まえて市町村において、その災害救助法の活用が図られたものと、このように承知をしているものだ。



赤坂県議の再々質問  

まずチボリについて再々質問しますが、多いときもあり少ないときもある、自己資金も使ったのではないかという答弁だが、知事はちゃんと取締役会にも行かれているわけで、県民きちっとこのあたりは示す必要があるのではないかと思う。今、被災地の住民の方たちが、お金を借りるのでも、1・数%の利子の融資を受けるのでも年配の方は受けられない、借りることができない。生活再建ほんとうに大変な事態で、未だに土のうを家の前に積んで夜も眠れない、こういう思いをされている方や、薬を飲みながらやっと日常生活ができている方もおられるわけです。そうしたときにこうした無責任な答弁というのは、私はほんとうに怒りを持ちます。この点について、ほんとうに県民に対する情報提供というのをひとつ求めたいという風に思います。もう少し詳しくご説明をまたいただきたいと思います。  

それからもう一点は市町村にしっかり徹底してきたんだと、県は頑張ってきたんだと言われるのだが、災害救助法の第22条ですね、救助に関する都道府県知事の義務として「救助に万全を期するため常に必要な計画の樹立、強力な救助組織の確立、並びに、労務、施設、設備、物資および資金の整備に努めなければならない」、つまりこうした災害救助というのは知事の義務なんだと明確に書かれている。みなさん、ほんとにこの点から見ても、今の岡山県の被災者のそうした支援に対しての、まず第一の、どんな災害に遭われたかという点での、まず一番最初の支援の出発点から市町村の対応がばらばらで、県がいくら言っても現場は混乱しているわけです。こうした時に、県下きちっと市町村に対して混乱がないように、ぜひともマニュアルや体制づくりというのを今はやるべきときではないかと言う意味で質問した。改めてこの点での知事のご意見を求めたいと思います。  

それと災害救助法の支援費が少なかった。これについても、利用が少なかったという点についての答弁も納得いくものではありません。その災害救助法の第22条にあるように、市町村というのは災害のときに大変混乱いたします。ごみの片づけからけがをした方の救助やら、避難所の食事の世話等々含めてさまざま大変な状況にある中で、それを県内の災害状況を見て、きちっと対策、何をすべきか、被災者支援に抜かりはないか、こうしたことをするのが知事の責任だと思います。

チボリや企業誘致には70億円とか25億円とかというお金が飛び出してくるわけですけれども、ほんとうに私が被災地を回ってほんとうに被災者の方の住宅再建への支援が今とても求められているということ、そして被災者の生活の再建なくして復興はない、こうした立場で全国で今、住宅本体に対する支援を全国が努力している中で、今一度、この岡山県の被災者支援のあり方を昨年の災害の時に対応も含めて真しに反省もする。この点を知事に求めたいと思います。  

乳幼児だが、知事は分かっているとおっしゃってくださいました。まず出発点だと思います。この上にペナルティが2400万円倉敷市にきている。だから、ほんとうに今、乳幼児医療費というのは市町村が支えているわけです。そして合併のときでも市町村はこの制度を何とか進んでいるところに合わせたいと必死の努力をしている。そういう時に知事が、補助率を下げる、こういうようなことを言われるのは論外だ。市町村がやっている、そうした子どもを守りたい、少子化対策のために必死で頑張っているところを応援する。大きい財政力があるなどと言いながら、こういうふうに補助金を削っている県はほとんどない。岡山県が1番最初にやったと言っても過言でもないくらいの状況なんです。ぜひとも、この点で知事の対処を求めたいと思います。



答弁・石井知事  

チボリの有価証券の質問については、私もチ社からこれからもどのような運用をしたのか、しっかりと調査をし把握をすることといたしたい。  

次に先ほど来、ご答弁を申し上げているが、二次判定、この適切な指導を行うべきではないかと言う質問だ。先ほど来申し上げている通り、これはもともと被害認定は市町村の事務であり、それぞれ被災を、被害が発生した市や町に置いて判断され実施されているものだ。いずれにしてもいろいろ質問もいただいているが、今回の経験を今後に生かしていくために県や市町村で構成している「県市町村防災対策研究協議会」等の場などを活用して実務者レベルで被害認定等の方法等について具体的な研修を行っていくこととしたい。  

それからマニュアル、防災のマニュアルということだが、これは先ほども申し上げたが、昨年の取り組み等を参考にして被災者支援制度等を網羅的に紹介するパンフを策定し、これでしっかりと情報の提供等に努めてまいりたい。いずれにしても災害の対策については県としても全力でこれからも対応し、真しにこれからももちろん対応していくこととしたい。  

乳幼児の補助率の問題だが、さまざまなご意見もいただいてきているが、今年度、補助率を含め、乳幼児医療費公費負担制度をどうするのか、あるいは単県医療費公費負担制度全体のあり方をどうするのかと、こういうことを検討してかねばならない、このように考えている。今年度の検討課題である、このように現在認識している。




武田英夫県議の討論
 

私は、今議会に提出されている議案19件、請願・陳情39件のうち、議案1件、請願・陳情37件について、委員長の報告どおり決することに反対の態度を表明するとともに、特に教科書の選定と採択に関する請願・陳情について意見を述べるものです。

今年は、第二次世界大戦が終わって60年の記念の年です。ヨーロッパでは、ドイツ・イタリアがかつて行った戦争が不正不義の犯罪的な戦争であったという認識のもとに、平和の未来への共同の誓いの行事が行われたことは、ご存知の通りです。

いま日本の私たちにも問われているのは、ドイツやイタリア同様のあの戦争への歴史認識の問題であり、その焦点になっているのが、「靖国」問題と「歴史教科書」問題であることは明らかです。

そして、この問題での小泉総理や一部の勢力の不見識な態度が、日本とアジアの平和友好を願う国内外の多くの人々の憂慮を呼んでいることは、極めて遺憾なことだと言わざるをえません。

ここに紹介したい一文があります。「世界中の国が、いくさをしないで、なかよくやっていくことを、国際平和主義といいます。・・(日本は)この国際平和主義をわすれて、じぶんの国のことばかり考えていたので、とうとう戦争をはじめてしまったのです。そこであたらしい憲法では、前文の中に、これからは、この国際平和主義でやっていくということを、力強いことばで書いてあります」・・これは戦後すぐ文部省が発行した「憲法のはなし」というテキストの一部です。

ここには、「戦争への反省」と「国際平和主義」がメダルの裏表のように切り離せないものとして明らかにされています。

「戦争への反省」は、決して「内政問題」ではありません。日本は憲法で、戦争への反省を戦後の原点とすることを、戦後の国際公約として掲げたのです。

ドイツのシュレーダー首相は、終戦60年の記念演説の中で「戦争への反省の意識を持ち続けることは、ドイツ国民の永続する道徳的義務」として、「この努力が、かつての敵国と手を取り合える保障だ」と語っています。

ドイツ・イタリアの戦争への反省がヨーロッパの平和共存の前提であるように、日本の戦争への反省こそ、アジアの平和友好の要をなすものではないでしょうか。  

しかし、戦後の歴代政府は、この戦争への真摯な反省をせず、戦争全体の性格が「侵略戦争」だったことを認めてきませんでした。  

日本の政府が、そのことを不十分でも公式に認め、「植民地支配と侵略」が、日本の誤った「国策」であり、「アジア諸国の人々」に「多大な損害と苦痛を与えた」としたのは、いまから10年前の1995年、戦争終結50周年に発表された当時の村山総理のいわゆる「村山見解」でした。実に終戦から50年目のことなのです。  

この4月に開催されたアジア・アフリカ首脳会議で小泉首相が述べた反省の言葉は、この文章を再現したものでした。  

私は、今日の歴史教科書問題で大切なことは、少なくとも首相が表明したこの反省を的確に反映させることであると考えます。それは政府の当然の責任だとも思います。  

委員長が採択と報告した請願が意図する教科書は、逆に「あの戦争は正しかった」という「靖国史観」ともいうべき特定の歴史観を子どもの教科書に持ち込もうとするものであり、断じて不採択とすべきものと考えます。  

また、教科書の選定と採択の「手続き」問題ですが、この問題の根本は、あの戦争の時代に、戦争への動員を目的に策定された国定教科書とそれによる教育への反省から、憲法26条と教育基本法によって定められた「国民の教育権」の問題なのです。  

教科書の選定と採択が、時の権力者や特定のグループの圧力に屈するのではなく、現場の教師集団を中心に公平・公正になされることは当然のことであり、全国各地で見られる特定教科書採択の圧力は直ちに止めるべきことも申し上げておくものです。  

最後に、以上の立場から、教科書の採択に関する請願3件は不採択、陳情2件は採択することを求め、討論を終わります。


議案に対する各党(会派)の態度

2005年6月定例会 議案 各会派の態度
共産 自民 民主 公明 賛否
議第 87号 平成17年度岡山県一般会計補正予算(第1号)
議第 88号 公平委員会の事務の委託を受けることについて
議第 89号 公平委員会の事務の委託を受けることについて
議第 90号 公平委員会の事務の委託を受けることについて
議第 91号 岡山県広域的水道整備計画の改定について
議第 92号 岡山県広域水道企業団規約の変更について
議第 93号 岡山県広域水道企業団を組織する地方公共団体の減少及び規約の変更について
議第 94号 牛窓港の港湾区域の変更について
議第 95号 岡山県ボランティア・NPO活動支援センターの指定管理者の指定について
議第 96号 岡山県聴覚障害者センターの指定管理者の指定について
議第 97号 岡山県吏員恩給条例の一部を改正する条例
議第 98号 岡山県税条例及び森林の保全に係る県民税の特例に関する条例の一部を改正する条例 ×
議第 99号 過疎地域における県税の特例に関する条例の一部を改正する条例
議第100号 倉敷市,浅口郡船穂町及び吉備郡真備町の合併等に伴う関係条例の整備に関する条例
議第101号 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する条例
議第102号 特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
議第103号 岡山県障害者施策推進協議会条例の一部を改正する条例
議第104号 岡山県緊急地域雇用創出特別基金条例を廃止する条例

請願・陳情に対する各党(会派)の態度

各会派の態度
新規・継続 受理番号 受理年月日 委員会 提出者 要旨 紹介議員 共産 自民 民主 公明 採否
継続 請願第5号 150609 総務 国公総連 ILO勧告の受け入れと、民主的な公務員制度改革の実施を求める意見書の提出について 草苅
継続 請願第7-1号 151127 総務 自治労岡山県本部 安心して暮らせる年金制度の確立をもとめることについて 草苅
継続 陳情第2号 150529 総務 県労会議 清潔で公正・公平な住民奉仕を貫く公務員制度の確立を求める意見書の提出について
継続 陳情第47号 160301 総務 岡山県視覚障害者友の会 点字等による選挙公報の発行に関することについて
継続 陳情第54号 160517 総務 自治労連岡山県本部 国の財政再建優先の「三位一体改革」でなく、地方分権のための地方税財政改革を進める意見書の提出について
継続 陳情第62号 160831 総務 岡山県私学協会 私学助成に関する意見書の提出について
継続 陳情第68号 160908 総務 岡山県平和委員会 沖縄県宜野湾市における米軍ヘリ墜落事件に関する意見書採択について
継続 陳情第96号 170218 総務 連合岡山 定率減税の廃止・縮小を中止することを求めることについて
継続 陳情第100−1号 170218 総務 連合岡山 地域経済の活性化等を求めることについて
新規 陳情第110−1号 170530 総務 県労会議 岡山県地方最低賃金の引き上げと最低賃金制度の抜本的改正を求めることについて
新規 陳情第113号 170608 総務 田口昭雄 特別職の給与手当てについて × × × ×
新規 陳情第114号 170608 総務 市民オンブズマンおかやま 岡山県行政情報公開条例の改正について
継続 陳情第11号 150701 生・保 NPO岡山県腎臓病協議会 腎疾患総合対策を求めることについて
継続 陳情第19号 150909 生・保 全国膠原病友の会岡山県支部 難病対策見直しについて
継続 陳情第35号 151201 生・保 木下 富夫 公的年金の未加入期間を国民年金でつなぐ場合の期間の延長に関することについて
継続 陳情第57号 160608 生・保 岡山県生活と健康を守る会連合会 生活保護の国庫補助の削減と基準引き下げの中止を求めることについて
継続 陳情第59号 160609 生・保 岡山職親会 岡山県精神障害者社会適応訓練事業の拡充に関することについて
継続 陳情第63号 160903 生・保 線維筋痛症友の会 はざまに陥った患者の救済について
継続 陳情第97号 170218 生・保 連合岡山 社会保障制度の抜本改革を求めることについて
新規 陳情第111号 170606 生・保 県医労連 次期看護職員需給見通しの策定に関することについて × × ×
新規 陳情第116号 170608 生・保 新婦人県本部 小学校就学前までの医療費無料制度の創設を求める国への意見書の採択について × ×
新規 陳情第117号 170608 生・保 新婦人県本部 乳幼児医療費助成への国保国庫負担の減額調整(ペナルティー)の廃止を求める国への意見書採択について × ×
継続 陳情第99号 170218 産・警 連合岡山 雇用対策と地域活性化を重視した政府予算編成を求めることについて × × ×
継続 陳情第100−2号 170218 産・警 連合岡山 地域経済の活性化等を求めることについて × × ×
新規 陳情第110−2号 170530 産・警 県労会議 岡山県地方最低賃金の引き上げと最低賃金制度の抜本的改正を求めることについて
継続 請願第4号 150609 農水 食とみどり・水を守る岡山県労農会議 WHO農業交渉に対する意見書の提出について 草苅
継続 請願第1号 150428 文教 英田郡町村会 英田地域新高等学校を通学経路、地域環境、学習環境が最適な場所に建築することを求めることについて 市村
継続 請願第13号 160601 文教 岡山県教職員組合 義務教育費国庫負担制度堅持を求めることについて 三原
継続 請願第20号 161206 文教 高校・障害児教育をよくする岡山県民の会 県独自の少人数学級の拡大を求めることについて 武田 森脇 赤坂
継続 請願第21号 161206 文教 高校・障害児教育をよくする岡山県民の会 教育費の父母負担軽減を求めることについて 武田 森脇 赤坂
継続 陳情第53号 160511 文教 岡山県高等学校教職員組合 義務教育費国庫負担制度の堅持について
継続 陳情第64号 160906 文教 新日本婦人の会岡山県本部 国へ義務教育費国庫負担制度を堅持する旨の意見書提出について
新規 請願第27号 170530 文教 石井雅之 中学校教科書選定の観点に関することについて 波多 × ×
新規 請願第28号 170530 文教 石井雅之 開かれた教科書採択の一層の推進に関することについて 波多 × ×
新規 請願第29号 170530 文教 石井雅之 静ひつな教科書採択環境の確保に関することについて 波多 × ×
新規 請願第30号 170606 文教 岡山県教職員組合 新たな定数改善計画を早期に策定し、少人数学級の実現を求めることについて 三原
新規 陳情第112号 170608 文教 子どもの権利を確立し、民主教育をすすめる岡山県民の会 2006年度使用中学校教科書の選定と採択に関することについて × × ×
新規 陳情第115号 170608 文教 とめよう戦争への道百万人署名運動岡山県連絡会 「つくる会」歴史・公民教科書を採択しないよう求めることについて × × ×
継続 陳情第20号 150910 議運 市民オンブズマンおかやま 岡山県議会の委員会の一般傍聴を求めることについて  
継続 陳情第95号 170218 議運 連合岡山 岡山県議会議員の選挙区見直しを求めることについて
新規 陳情第109号 170530 議運 岡山県議会議員の定数及び選挙区を考える会 岡山県議会議員の選挙区見直しを求めることについて定数減及び選挙区等制度改革について